火災消火活動の基礎知識 ふじのくに防災士
火災の統計
火災の発生件数
近年火災件数は35000から40000件の間でおさまっている。
平成16年は6万件、平成19年は54000 件と長期的に見れば減少傾向にある
死者の半数は高齢者で季節は10月から3月までの秋から春先までの暖房を使う時期に火災が多い
火災の発生 種別
建物火災一番多いつぎにその他の火災となる。
車両火災も年間 数千件はある
その他に林野火災や船舶火災航空機火災と続く
火災になる 出火原因
第1位 タバコ
第2位 放火
第3位 コンロ
第4位 焚き火
第5位 放火の疑い
となる。
火災の現象と性状
火災とは
火災とは 簡単に言うと人の意図に反して発生した消火活動が必要な燃焼現象、爆発現象をいう。
燃焼の三要素
物が燃えるには以下の三つがとなる
① 可燃物があること
② 熱源(発火エネルギー)があること
③ 周囲に空気があること
物が燃えるには三つの要素が必要なので、燃焼の三要素のいずれか一つを取り除くことで消化することができる。
消火の原則と手段
冷却 消火
燃えている可燃物に水をかけると可燃物燃焼が冷却され熱源がなくなり燃焼は継続しない
可燃物が湿っていても、熱は湿気という水分を蒸発させるために費やされてしまい燃焼は継続しなくなる
窒息消火
燃えてる可燃物を容器など の密閉性のあるものに閉じ込めて空気を遮断してしまえば酸素がなくなった時点で燃焼が継続しなくなる
除去消火
可燃物が除去されれば燃焼は継続しない
集積された可燃物の一部が燃えてるときなど、その周辺の可燃物を移動、取り除けば燃焼は継続しなくなる
火災時に起こる特殊な現象
フラッシュオーバー
フラッシュオーバーというのは、室内の局所的な火災が、数秒~数十秒のごく短時間に、部屋全域に拡大する現象の総称で、物理的に明確な定義があるわけではない。
「局所的な火災によって熱せられた天井や煙層からの放射熱によって、局所火源そのもの、あるいはその他の可燃物が外部加熱を受け、それによって急速な延焼拡大が引き起こされ全面火災に至る」というのがフラッシュオーバー発生機構の一般的な考え方となっている。
バックドラフト
燃焼している部屋から外部に吹き出してくる(消防士からすれば、扉から押し戻されバックしてくる)、強い気流(ドラフト)がこの現象を特徴づけています。
フラッシュオーバーが、空気供給をうけながら火災拡大していく過程で起きるのに対し、このバックドラフトは、空気不足でいったん火災成長が抑制された後に発生するという点で大きな違いがある
火災避難時に役立つ中性帯
中性帯がある場合、姿勢を低くし、避難が可能。
「中性帯」って ご存知ですか?
中性帯とは、火災発生時の初期段階で起こる現象のひとつです。
特に耐火構造等の気密性の高い建物で火災が発生した場合に起こり、炎の熱で上昇した煙と新鮮な空気が、混ざり合う部分の境目のことを「中性帯」といいます。こ…
延焼順路
延焼には順路がある。
天井または壁を伝い火は登っていく
住宅火災による死者減少の方法
住宅火災警報器の設置
取り付け義務ありの場所
寝室・階段
取付義務はないが推奨する場所
台所
消火設備の設置
消火器 (初期消火に有効)
大型消火器
水バケツ
屋内消火栓
屋外消火栓
スプリンクラー
泡消火設備
震災災害時の安全管理と救助方法
安全確保による順序
震災現場では安全を確認しながら救助を行う必要がある
1 消防力の絶対的な不足が懸念されるなか
2 人命救助が最優先(トリアージ)
トリアージ(triage)とは、医療資源(医療スタッフや医薬品等)が制約される中で、一人でも多くの傷病者に対して最善の治療を行うため、傷病者の緊急度に応じて、搬送や治療の優先順位を決めることをいいます。
3 そのため 時間の勝負となる
4 消防力の絶対的な不足のため住民協力の必要
5 正確な情報とその共有
6 自分が要救助者にならないように 2次災害の防止に注意
ショアリング救助
地震により建物が倒壊し、いつ崩れてくるか分からない状態になっている。
倒壊などによる二次災害を防止するため建物の内部や外部に支柱を立て二次倒壊を防ぎ要救助者を救出する方法
(倒壊しないようにつっかえ棒をする方法)
震災災害時に必要なもの
個人装備
ヘルメット
ゴーグル
グローブ
マスク
厚手の服
丈夫な靴
ラジオ
救助機材
とび口
バール
ジャッキ
角材・本
チェーンソー
消火器
毛布
東日本大震災で役立った救助機材
とび口
チェーンソー
エンジンカッター
(予備として小型グラインダーも可)